【確定申告スタートダッシュ③-2】経費はどこまで落とせるのか?(必要経費の基本ルール)

【確定申告スタートダッシュ③-2】経費はどこまで落とせるのか?(必要経費の基本ルール)

  みなさん、こんにちは。 東京都杉並区・西荻窪の税理士、下島です。

前回から引き続き、個人事業主やフリーランスの方が確定申告をされる際に気になるであろう、「経費はどこまで落とせるのか?」という疑問について解説します。前回の記事はこちら

今回は、必要経費に入れるための基本的なルールについてのお話です。  

【確定申告スタートダッシュ③-2】経費はどこまで落とせるのか?(必要経費の基本ルール)

必要経費の基本ルール

事業に関連があること、が大前提

個人事業主やフリーランスの方の支出は、大きく次の二つに分けられます。

「事業のために支出したもの」
「生活のためのプライベートな支出」

ただし、この二つは完全に、かつ明確に区分できるようなものではありません。

どちらになるのか判断に迷うものもあるでしょうし、どちらにも関連のあるような支出もあると思います。

個人事業主の方が、その支出を最大限に経費にするのであれば、「事業のため」であると説明できるような区分を行うことが大切です。  

 

個人事業で認められる支出

個人事業で認められる支出は、「必要経費」と呼ばれます。

読んで字のごとく、「事業のために必要な経費」です。

もう少し噛み砕いて説明すると、 「売上のために直接必要となるような支出」 と、 「売上には直接紐付かないかもしれないが、間接的には売上に貢献しており、その事業を営む上で支払わなければならなかった支出」 ということになります。

この二つに該当するものが、「事業に関連がある」経費ということになります。

個人事業主の皆さんが経費になるかどうかの判断をする際には、その支出が「どのように事業と関連しているか」を税務調査官に説明できるかどうか、という点がポイントになります。  

 

必要経費になるものは、人によって違う

それでは、具体的にどんなものが必要経費になるのか、というのが多くの個人事業主の方の疑問だと思います。

私自身もいろんな方からご質問をいただくのですが、まず第一に、 「経費になるかどうかは、その人が行なっている事業や働き方によって違う」 というのが実際のところです。

先ほど、「事業のために必要なもの」が経費になるというお話をしました。

その人がどのような事業を営んでいるのかによって、必要となるサービスや備品は異なります。

また、店舗やオフィスを構えているのか、またはノマドワーカーとして働いているのか、という働き方の違いによっても、経費の内容は変わってくると思います。

つまり、同じものを買っても、または同じサービスを受けたとしても、それが必要経費になるかどうかは、それぞれの事情によって変わってくることになります。

分かりにくくて申し訳ないのですが、少しだけ例を挙げれば、例えば食事代です。

一般的には、自分一人で外食をしたり、家族でレストランで食事をしたとしても、それは必要経費にはなりません。

その一方で、飲食店の食べ歩きをテーマに本を書いている方が、取材のためにレストランで食事をすれば、それはその人の事業に関連した経費と言えるでしょうから、必要経費として認められる余地はあるのではないかと思います。

このように、全く同じ支出であっても、その人の事業によって必要経費になるのかどうかは異なってきます。

従って、それぞれ皆さんが営んでいる事業の状況に応じて、「事業に関連するか」を考えて経費になるかどうかの判断をしていただく必要があります。

とは言え、全く何の事例もないと判断が難しいと思いますので、次回から2回に分けて、「一般的に経費となるもの」と「経費として認められないもの」を少しだけご紹介したいと思います。  

 

購入したモノはいつ経費にするか?

少し話が逸れますが、個人事業の節税をテーマにした本などでは、「30万円未満の備品を購入して節税しよう」と言ったことが書かれていることが多いです。

備品で10万円未満のものや、使用可能期間が1年未満のものは、その支出した年に経費として入れられます。

また青色申告をしていれば、10万円以上30万円未満のものも同様に、その支出した年の経費にできます(年間の限度額が300万円まで)。

それ以外のものは、いわゆる「減価償却」というルールに従って、何年かに分けて経費に計上していきます。

結局経費にできるから同じでは?と思われる方もいるかもしれません。

それは全くその通りで、最終的にはどちらも経費にできる金額は変わりません。

ただし、節税という観点からはポイントが2点あります。  

 

利益が出て支払った税金は取り戻せない

一つ目は、今年利益が出て税金をたくさん支払ったけど、来年以降は赤字になった場合、今年払った税金を取り戻す手段はありません。

つまり、来年以降赤字になると、経費を来年に先延ばししても、その経費を吸収できるだけの売上がないため、その経費に相当する税金は払い損ということになってしまいます。  

 

経費にする年によって税率が変わる

二つ目は、税率のお話です。 別の記事で、個人の所得税は「超過累進税率」というお話をしました。

【確定申告の基礎】超過累進税率の仕組み

所得(もうけ)が多いほど税率が高く、所得が小さければ税率は低くなります。

今年利益がたくさん出て、来年は利益が少なかった場合に、経費をいつ入れるとお得になるでしょうか?

利益が出て税率が高い年にできるだけ経費を入れて利益を圧縮することで、数年間を平均すると支払う税金を抑えることができることになります。

上記を踏まえると、可能な限り、支出した年に経費にする方が良いということになります。

ひとつだけご注意頂きたいのが、今年は利益がほとんど出なかったので、経費計上を来年にまわしたい、ということはできません。

経費に入れるタイミングは、今年一括か、減価償却ルールに従って数年間に分ける方法しかありません。

もし今年赤字になってしまうようであれば、一定の要件のもとで、事業所得以外の所得と通算するか、損失を繰り越して来年以降の利益と相殺することは可能です。  

 

最後に

今回は、確定申告における必要経費の基本ルールについて、簡単に概要だけお話してみました。

次回以降、さらに個人事業の「経費はどこまで落とせるのか?」という疑問について解説していきます。  

次回以降も、確定申告に役立つような記事をアップしていきます。

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