【確定申告の基礎】マイナンバーで無申告はバレるか

【確定申告の基礎】確定申告書を提出しなかったらどうなるか?

  前回のブログで、確定申告書を提出しなかった場合にどうなるか?というお話をさせていただきました。

無申告の場合や、本来申告すべき収入を隠していたとき(過少申告と言います)は、余計なペナルティなどの税金を支払うことになってしまいます。

それでは、どんな時に無申告や過少申告がバレるのでしょうか?

今回は、収入が税務署にバレてしまう主なキッカケについてご紹介します。  

【確定申告の基礎】マイナンバーで無申告はバレるか

収入が税務署にバレるきっかけ

この記事のタイトルは「マイナンバーで無申告はバレるのか」ですが、実際のところ、収入が税務署にバレてしまうきっかけには様々なものがあります。

ここでは主なものをいくつかご紹介したいと思います。

・法定調書
・税務調査(反面調査)
・資料せん
・赤字続きの申告をしている場合
・不動産の取得をした場合
・マイナンバー

以下、それぞれについて具体的にご説明します。  

 

法定調書

法定調書とは、企業が1年間に個人に対して支払った給料や報酬などを税務署に通知する手続きです。

全ての支払について提出するわけではありませんが、一定額以上の支払いの場合には提出されることになっています。

これによって、税務署は、誰がいくら収入があったかを捕捉することができることになりますので、その人が申告していないと、無申告を疑われることになります。

ちなみに支払調書には一般的な企業が提出するものだけでなく、証券会社が提出する支払調書もあり、一定金額以上の株式を売却した場合には、証券会社から税務署に情報が通知される仕組みになっています。

株式投資をされている方も、十分注意して下さい。

 

税務調査

調査では支払先の情報も見ている

税務調査と言うのは、その企業や個人が自ら申告した内容が合っているかどうかを、実際に税務署の調査官が書類を確認したり、会社担当者から話を聞いたりして調べる事を言います。

通常は、その調査対象となる企業や個人の収入や経費の状況を調べるのですが、調査官はその調査の過程で、取引先の情報も収集しています。

例えば、その企業が支払った経費があれば、その請求書や領収書に記載された支払先の情報をメモして、支払先の人がきちんと申告しているかどうか調べる根拠にします。  

 

ネット取引に対する調査

国税局では、ネットオークションなどのインターネットによる取引について、電子商取引専門調査チームを設置しています。

現在はインターネット上の取引に対する垣根が低くなっており、副業のすすめなどのハウツー本が出るなど、個人の方が簡単にネット取引を始めることができるようになっています。

ネットオークションだけでなく、Amazonのせどりや、アフィリエイト、FXなど様々な方法で個人の方が、時には高額の収入を得ることが可能となっています。

このような取引をされている方の中には、自分が確定申告が必要だと認識していない方も多く、これらの無申告者を発見するために、専門チームが目を光らせているようです。  

 

資料せん

資料せんとは、大体毎年7月頃に税務署から届く書類で、その企業が支払った取引について、支払先ごとに作成して提出するものです。

この書類は、その書類が届いた企業に対する調査と言うよりは、その支払先の申告漏れなどを防ぐための税務署の内部資料として使われます。

国税庁内では、この提出された情報がデータベース化されていて、無申告の発見や、税務調査における申告漏れ・過少申告などを指摘するための根拠資料としているようです。  

 

赤字続きの申告をしている場合

無申告がダメなら、毎年赤字で申告すれば税金を払わなくて済む、と考える方もいるかもしれません。

ただし毎年毎年赤字続きだと、税務署は不審に思います。

当たり前のことですが、人は生活するためにお金が必要です。 親族などから生活費の援助を受けていたり、借入をしたり、または過去に貯め込んだ財産があるならともかく、少なからず収入や儲けがないと生活できません。

 

不動産の取得をした場合

マイホームなどの不動産を取得すると、翌年に「不動産の取得状況についてのお尋ね」といった書類が届きます。

全ての方に届くわけではないようですが、不動産を取得すると基本的には登記することになりますので、その登記情報から税務署は無作為にお尋ねを送っているようです。

この書類には、その土地建物を取得した経緯について、「購入金額」や「購入先」だけでなく、「取得資金の出どころ」や「前年の収入状況」なども記載することになっています。

「取得資金の出どころ」を記載することで、主に親族からの贈与税に申告漏れがないかを調べているものと想定しますが、これによって他にも分かることがあります。

例えば自己資金で購入した場合、「前年の収入状況」や過去の申告状況などから、その人の所得水準に比して不釣り合いな物件を購入していないかといった見方もされます。

また、購入先を記載しますので、その不動産を売った人がきちんと申告しているかどうかも分かることになります。

ちなみに登記から分かるものとしては、会社を新規設立したことも分かります。

会社の場合は赤字であっても必ず申告しなくてはなりませんから、設立登記がされたのに法人税の申告がされていないと、お尋ねが来ることがあります。  

 

マイナンバー

平成28年から、本格的にマイナンバー制度が導入されました。

ニュースやネットなどでも、マイナンバー制度の導入によって収入や貯蓄が税務署に筒抜けになってしまう、という記事が出ているのを見た方もいるかもしれません。

実はそのような懸念は、マイナンバー制度の導入”前”から一部の識者の方から指摘されていたものです。

マイナンバーを全ての取引に利用するようになれば、国民のお金の動きを国や自治体が全て把握できるようになり、悪いことができない社会になっていく可能性があります。

まだ現時点ではその一部しか実現していないものの、マイナンバーの利用により現時点でもバレてしまう可能性のある収入はあります。  

 

マイナンバーと収入が紐付く

具体的には、まず今回の確定申告(平成28年分の所得)から、確定申告書にマイナンバーを記載することになりました。

また、平成28年度から、起業が個人に支払う報酬について、支払調書にマイナンバーを記載することになっています。

会社員やアルバイトの方は、お給料に対して発行される源泉徴収票にマイナンバーが記載されており、この源泉徴収票は税務署に提出されています。

今後の流れとしては、行政機関の間でマイナンバーを利用した情報の相互利用が進められることになり、2年後には金融機関の預金情報についてもマイナンバーの紐付けがスタートする予定になっています。

具体的にどの程度、個人の所得や財産が行政機関で利用できるようになるか未定ではありますが、従来よりも収入の捕捉が容易になることは間違いありません。

 

取引先にマイナンバーを必ず教えないといけないのか?

取引先企業が税務署に提出する支払調書には、報酬の支払い先である個人のマイナンバーを記載することが義務付けられています。

既に昨年から、取引先よりマイナンバーの提供依頼が来ていると思います。

多くの場合、取引先企業から届いた「マイナンバー提供のお願い」書類に、提供拒否を表明する確認書などが同封されています。

マイナンバーの通知を拒否したい場合は、その書類に記名して送り返すか、拒否したい旨を書面やメール等で取引先に通知することになります。

ただし、企業側としては、コンプライアンス(法令遵守)の観点からも、手続き上の点からも、マイナンバー未記載のまま税務署に支払調書を提出することを避けたいはずです。

マイナンバーの提供を拒否すると、取引先企業の心象が悪くなってしまうという懸念もありますので、ルール通りマイナンバーは提供した方が良いと思います。

 

最後に

今回ご紹介したように、収入があって確定申告していないと、税務署では様々な手段を用いて収入があったことを突き止めることができます。

前回ご案内したとおり、無申告が発覚した場合のペナルティはとても大きいです。

今まで申告してこなかった方、今年もバレなければいいやと申告しないつもりの方も、少しでも早く申告されることをお勧めします。

前回のブログはこちら
【確定申告の基礎】確定申告書を提出しなかったらどうなるか?    

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