国際税務

【国際取引の税務~支払編・事例⑧〜】外国人留学生をバイトで雇った場合

【国際取引の税務~支払編・事例⑧〜】外国人留学生をバイトで雇った場合

都心部では、コンビニや飲食店などで外国人留学生のアルバイトを見かけることが一般的になりましたが、最近では一般企業でも外国人留学生をインターンやアルバイトとして雇う機会が増えているようです。

今回は、外国人留学生を雇った場合に、通常とは異なる取扱いがあるのかどうかをお話したいと思います。

【支払編・事例⑧】外国人留学生をバイトで雇った場合

 

【質問】
外国人留学生をバイトで雇った場合、源泉徴収は必要か?

当社では今後、一定数の外国人留学生をアルバイトとして雇用することを検討しており、まずは日本の大学に留学している外国人を一名採用しました。

留学生に対するアルバイト料は、通常の源泉徴収とは異なる取扱いがあると聞いたのですが、具体的にはどのような取扱いがあるのでしょうか?

 

 

ご質問への回答

ご質問のように、日本の大学に留学している外国人をアルバイトとして雇った場合には、源泉徴収が必要となります。

源泉徴収すべき税額は、その留学予定期間が1年以上かどうかにより異なります。

さらに、その留学生の方の出身国との間に租税条約が締結されている場合には、源泉徴収が免除となる可能性があります。

 

解説

国内法の取扱い

外国からの留学生を雇用した場合、その留学生本人の税務上の立場は、その留学予定期間が1年以上かどうかにより異なります。

給料を支払う企業にとっては、国内法(所得税法)により、いずれにせよその給与に対して源泉徴収が必要となります。

もしその留学生が1年以上の予定で日本に来ている場合は、税法上は「居住者」となり、通常通りの源泉徴収を行います。

一方でその留学生が1年未満の予定で入国しているときは、税法上は「非居住者」となり、そのアルバイト給与の20%(20.42%)を源泉徴収することになります。

 

租税条約の取扱い

多くの租税条約においては、その留学生が勉学のために大学などの教育機関に通学する場合、その生計や教育、訓練のために外国から受け取る給付は非課税とされています。

そのため、一般的な租税条約では、その留学生が国内で勤務したことによる給与については非課税とはなりませんので、その者の滞在期間などに応じて源泉徴収が必要とされています。

ただし、アジアなど一部の国との租税条約によっては、上記のように外国から送金されるものだけでなく、雇用主などから支払われる給与や、日本におけるアルバイト料なども免税とする規定を置いている条約があります。

このような免除規定を置いている条約では、一定の金額制限や免除とされる期間が設けられているケースがありますので、個々に条件を確認する必要があります。

 

なお、ここで言う「留学生」の定義について租税条約では明記されていませんが、日本の法律に照らして「学校教育法第1条に規定する学校の学生、生徒又は児童」が該当するものとされていますので、例えば専修学校等の種学生については、この免除規定を適用することはできないことに注意が必要です。

 

源泉徴収の手続き

源泉徴収の手続きについては、こちらの記事を参照下さい。

【参考記事】
【国際取引の税務~支払編④~】源泉徴収の手続き(租税条約届出書、納付、法定調書)

 

租税条約の適用を受けることができる場合には、こちらの記事も参照ください。

なお、今回のケースで租税条約届出書を提出する場合には、同届出書に「その者が在学する学校の発行する在学証明書」を添付することとされています。

【参考記事】
【国際取引の税務~支払編⑥~】租税条約による特例を受けるための手続き

 

参考条文

所得税法183条、同161条八号、同212条、同213条
各国との租税条約、実施特例法 ほか

 

 

当ブログでは、代表的な事例を基に基本的な考え方をご紹介しておりますので、全てのケースに該当するものではありません。
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