開業日誌

税理士としての働き方を比較してみました

「税理士業界で働くということ」

私はいま、税理士として開業しようと動いていますが、
開業を決意するまでには、もちろん他の働き方についても悩みました。
税理士の専門性を活かすことができる働き方は、それほど選択肢はありませんが、
かと言って独立開業だけが唯一の働き方ではないと思います。

開業する場合には営業や請求事務など、何から何まで自分でやらなくてはなりません。
その一方で、会社や事務所に勤めれば、少なくとも給料は支払われますし、
営業して仕事を取ってくる必要もありません(一部ありますが)。
事務所に勤めていれば、リスクは先生が負いますが、開業すると全ての責任とリスクを自分で負わなくてはなりません。

今回は、税理士(及び税理士志望者)の主な働き方を整理して、それぞれについて簡単なコメントを書いてみました。

税理士試験に合格した方、
いま税理士を目指して勉強中の方、
そして、これから開業される予定の方も、
自分に本当に合った働き方はどれなのか、参考にしていただけると嬉しいです。

また、税理士をお探しの方も、自分がどのタイプの税理士を選ぶかの参考にしていただけると幸いです。
(税理士をお探しの方向けにも記事を書いています。こちらの記事もご参照ください)

税理士の専門性を活かす三つの働き方

 

一般企業に勤める

経理として働く

一部の大会社を除いて、税務の専門部署を設けているところはまだまだ多くありません。
従って、一般企業で働く場合には、財務・経理部問に所属し、税務だけでなく会計・経理や財務などの仕事もこなすことになります。
特にベンチャー企業では、会計税務の仕事に加えて、総務や人事などバックオフィス系の業務を
ひとりでこなすようなケースも多いと思います。
税理士としての知識を活かす場面は相対的に少なくなりますが、
その代わり会社の中で必要となる事務手続きを経験することができると思います。

私も一般企業の経理部門で3年間ほど働いた経験がありますが、
会社という組織の中で、経理という仕事の位置付けを考えるきっかけにもなりましたし、
(会計事務所という特殊な業界とは異なる)一般的な会社の中を見るというのは、
税理士として働くのに間違いなくプラスになると思います。

もしまだ20代で、税理士業界しか経験のない方は、
一般企業への転職も、選択肢のひとつとして考えても良いのではないかと思います。

税務部門で働く

日本でも、大会社を中心に、税務部門を設ける所が増えてきたように感じています。
最近では、OECDのBEPS行動計画が出た影響により、BEPS対応を専門に行う部署を中心に、税務部問の拡充が図られる傾向にあります。
また、海外では当然となっていますが、日本企業においても総合的なタックスプランニングの重要性が認識され始めているため、
税務担当者や税務部門を設ける会社が増えるのではないかと思います。

会計参与や監査役、社外取締役として働く

平成17年より、税理士または会計士が会計参与として、会社の取締役と並ぶ位置付けで働くことができるようになりました。
会計参与の役割としては、取締役と共同して計算書類(決算書)を作成することとされています。
会計の専門家が会社内部に入ることになりますので、銀行等からの信用が高まりますし、
中小企業の経営者の会計知識の不足を補い、本来の業務へ注力できるようにすることも期待されます。
また、チャンスや伝手があれば、監査役や社外取締役として働くという機会もあるかもしれません。



会計事務所・税理士法人に勤める

会計事務所で働く

税理士法人が増えたとは言え、今でも税理士として登録されている大多数(総登録者の80%)は個人事務所です(*1)。
所長ひとりに、補助税理士、スタッフ・パート数名という形態が多いと思います。
そのため、任される仕事は多岐にわたり、お客様に関するほとんど全ての仕事を自分一人でやることになります。
お客様は個人事業者・小規模会社~従業員500人規模くらいの会社までが多いでしょうか。
会計・税務だけでなく、給与計算や資金繰り、更に個人所得税や相続など、ひと通りの仕事を経験することができると思います。
その一方で、専門的な税務知識を使う機会は相対的に少なくなるとは思います。
また、福利厚生はあまり期待できず、給料面でも低い傾向にあると思います。

(小規模~中小)税理士法人で働く

税理士法改正で、税理士法人化する会計事務所が近年飛躍的に増えています。
従って、一口に税理士法人と言っても、その規模は会計事務所に毛が生えたものから、メガ級の税理士法人まで様々です。
その中でも、中小の税理士法人は、普通の会計事務所とほとんど変わりありませんので、名前だけで選ばずに、
規模や業務内容、どんなお客様がメイン顧客かまで調べられると良いかと思います。
ちなみにお客様は、個人事業者・小規模会社~大企業の子会社まで様々かと思います(意外と上場企業がクライアントということもあります)。

(大規模)税理士法人で働く

大規模な税理士法人は、従業員が100人を超える規模で、いわゆる BIG4になると500人を超えます。
この中でもBIG4とは、監査法人と連携した税理士法人で、国際的な会計事務所(PwC、KPMG、Deloitte、E&Y)とも提携しているため、グローバルな仕事も普通にあります。
独立系の大規模税理士法人は、辻本郷や山田&パートナーズなどが有名どころです。
これらの税理士法人は、国際税務や移転価格、個人所得税、M&Aなどは専門部署を設けていることが多く、
より専門的な業務に特化した仕事をすることができます。
中小以下の事務所に比べて給与水準や福利厚生なども手厚くなっていることも多い反面、仕事量もかなり多く、
特にBIG4税理士法人では帰宅が深夜になったり徹夜になったりすることも少なくありません。
税務の最前線で仕事がしたい方、専門的な税務の仕事をしたい方、スケールの大きな仕事をしたい方、
また、国際的な仕事をしたい方であれば、BIG4で働くことを目指してみるのが良いと思います。



 

開業する

開業については、また機会を設けて詳しく書きたいと思います。

税理士として開業すると言っても、その形態は様々です。
上に書いたように、小規模の会計事務所から、他の税理士と一緒に税理士法人にするとか、スタッフを多く雇って大規模な事務所を目指したり、何か専門分野に特化するという方法もあるかと思います。

ここでは簡単に、思いつくメリット・デメリットを記載しておきます。

開業のメリット

・時間を自由に使うことができる
・お客様や自分のやりたい仕事を選ぶことができる
・変化に応じて柔軟にやり方を変えられる
・やり方次第では高収入が期待できる

開業のデメリット

・営業をして顧問先を探さなければいけない
・仕事が嫌になっても簡単には辞められない
・収入が安定しない
・価格競争や時代の変化についていけない可能性がある
・訴訟などのリスクを全て負う
・最終的には何でも自分で決めて、自分でやらなければいけない

 

こちらの記事で書いたことは、あくまでも私見です。
それぞれの働き方の特徴やメリット・デメリットについては、こちらの本が詳しいので、
ご興味のある方は参考にしてみてください。

 

 

 

出典
(*1)https://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishiseido/rengokai/rengou.htm

 

 

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