【確定申告の基礎】「確定申告書A」と「確定申告書B」の違い
こんにちは。 東京都杉並区・西荻窪の税理士、下島です。
まもなく確定申告のシーズンが始まります。 いざ確定申告をしようと思って申告用紙を探すと、「確定申告書A」と「確定申告書B」の二種類が用意されていて、どちらを選んだら良いのか迷ってしまいます。
今回は、確定申告の基礎知識として、「確定申告書A」と「確定申告書B」の違いを紹介します。 →【確定申告の基礎】個人事業主が行う確定申告とは?
→【確定申告の基礎】確定申告が必要となるケース
→【確定申告の基礎】確定申告で税金が戻ってくるケース
→【確定申告の基礎】意外と知らない「20万円ルール」の実際
「確定申告書A」と「確定申告書B」の違い
確定申告とは?
前回も少し触れましたが、個人事業主に限らず、個人が収入を得た場合には、その収入には所得税が掛かります。
確定申告は、個人の方が税金(所得税)を納めるために行う手続きですので、個人事業主だけでなく、個人であれば全員対象となります。
ただし、全ての方が申告を行う義務があるわけではなく、申告をしなくても良いケースや、申告をすると税金が還付されるケースもあります。
「確定申告書A」と「確定申告書B」の違い
確定申告書A
申告する所得が給与所得や公的年金等・その他の雑所得、配当所得、一時所得のみで、予定納税や平均課税、繰越損失等のない方が使用できます。
会社員やアルバイト・パートの方が確定申告をする場合に利用することが多い用紙です。
確定申告書B
所得の種類にかかわらず、どなたも使用できます。
※ 前年分から繰り越された損失額を本年分から差し引く方や変動所得や臨時所得について平均課税を選択する方は申告書Bを使用します。
(参考)国税庁HP https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/qa/03.htm
合わせて使用する申告用紙
第三表(分離課税用)
次のような所得がある方は、「確定申告書B」と合わせて、第三表という用紙を作成します。
申告書第三表(分離課税用)【平成28年分以降用】(PDF/450KB)
・土地建物等の譲渡所得がある方
・株式等の譲渡所得等がある方
・申告分離課税の上場株式等の配当所得等がある方
・山林所得がある方
・退職所得がある方
第四表(損失申告用)
次のような方は、「確定申告書B」と合わせて、第四表という用紙を作成します。
申告書第四表(損失申告用)【平成28年分以降用】(PDF/460KB)
・申告所得がある方
・所得金額から雑損控除額を控除すると赤字になる方
・所得金額から繰越損失額を控除すると赤字になる方
結局のところ、「確定申告書A」と「確定申告書B」のどちらを使えば良いのか?
「確定申告書A」を使用する方
・サラリーマンで医療費控除
・雑損控除
・寄付金控除を受ける方
・住宅ローン控除を受ける方
・生命保険の満期金のある方
・副業で原稿料や講演料などの収入があり、確定申告する方
・2か所から給与をもらっている方
・収入が公的年金等のみの方 など
「確定申告書B」を使用する方
・個人事業主の方
・不動産所得などがある方
・土地建物等の譲渡所得がある方
・株式等の譲渡所得等がある方
・その他、どなたでも
迷ったら「確定申告書B」を使う
確定申告書Aは、確定申告書Bよりも内容が少なく、簡易的な確定申告を行う場合に用いるのが一般的だといえます。
確定申告書Aと確定申告書Bで迷ったら、確定申告書Bを使用していただいて結構です。
最後に
今回は「確定申告書A」と「確定申告書B」の違いについて、簡単にご説明しました。
※事業所得のある方や、不動産や株式の譲渡等をされた方など、申告書用紙以外にも作成しなければならない用紙があります。
ご不明な点などありましたら、最寄りの税務署にお尋ねいただくか、当事務所までご相談ください。
確定申告に関する記事はこちらもご参照ください。
→【確定申告の基礎】個人事業主が行う確定申告とは?
→【確定申告の基礎】確定申告が必要となるケース
→【確定申告の基礎】確定申告で税金が戻ってくるケース
→【確定申告の基礎】意外と知らない「20万円ルール」の実際
次回以降も、確定申告に関する情報をお伝えしていきますので、もしご興味のある方は、FacebookやTwitterのフォローをお願い致します。
(これから投稿予定の記事)
「確定申告スタートダッシュ(資料準備編)」
「確定申告スタートダッシュ(経費にできる領収書を再確認)」
「確定申告スタートダッシュ(領収書の整理方法と紛失した場合の対応)」
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