<STEP2>ビジネスプランを考える【起業を考えている方へ】
前回は、起業を考える上で「法人」を作るか、「個人事業」としてビジネスを行うか、というお話をさせていただきました。
今回は次のステップである、「ビジネスプラン」について少しだけお話します。
「ビジネスプラン」と言っても、まだこの段階では具体的な事業計画を立てる訳ではありません。
もやもやと頭の中で考えていることを、ほんの少し具体化して誰かに説明できるようにするステップです。
【起業をお考えの方へ】<STEP2>ビジネスプランを考える
ビジネスモデルを作る
起業の方向性がある程度固まったら、次にビジネスプランを考えます。
これは、どのようなビジネスを行っていくのか、自分の頭の中で漠然と考えていることを具体化する作業です。
まだこの段階では、具体的な数値計画や運営計画を立てる訳ではありません。
具体的な事業計画を立てるための前段階として、アイデアやビジョン、コンセプトなどを明確にして、ビジネスモデルを作っていきます。
起業準備のポイントは、アイデアを少しずつ肉付けしていくことだと考えます。
最初は思いつきでも、様々な要素を考えて、行きつ戻りつしながら次第に現実的なプランを作り上げていくことになります。
このステップを飛ばしてしまうと、次のステップである「事業計画」が作れませんし、開業後にビジネスを拡大する際や、行き詰った際など、次の手を打つときに何をすれば良いか判断に迷うことになってしまいます。
具体的には、次のようなことを明確にしていきます。
「何をするのか」
自分がこれから売ろうとしている商品は何なのか、自分が提供できるサービスはどんなものかを具体的に考えます。
起業を考えている方は、通常はここからスタートするはずですし、既に「売るモノ」は決まっているはずです。
そこでここでは、取り扱う商品やサービスの具体的な特徴を書き出してみて、価格帯(高級路線か低価格か)や、自分の商品のセールスポイントを具体的に考えます。
「誰に」
自分のビジネスがターゲットとする顧客層をイメージします。
取り扱う商品をどんな人に買ってもらいたいのか、年齢や性別、職業などを考えます。
さらに、どの地域を対象にビジネスを行うのかも重要です。
これによって、万人に受けるような営業をするのか、それともニッチな(特定の)分野に絞って販売するのかという方向性も決まってきます。
お客様となる方たちが、いま何を求めているのか、お客様目線で考えることが大切です。
「どうやって提供するか」
店舗であればどんなエリアに出店するか、お店の内装や外装のイメージをどうするか、大きなお店かこじんまりとしたお店か、ネット販売をするのかどうか、といったことを考えていきます。
まだ具体的な場所や導入する什器備品まで決める必要はありませんが、コンセプトだけは最初にイメージしておきます。
ビジネスであれば、オフィスを設ける必要があるかどうか、自宅でもできるのか、インターネットで集客するかどうか、といったことを考えます。
さらに上記に加えて、次のような点も考えておきます。
「なぜ自分がこのビジネスをやるのか」
自分でビジネスを始めて、それを成功させるためには、事業を進めるための「理念」が必要です。
それほど難しく考える必要はないですが、独立を決意するまでにどのような心境の推移があったのか、将来どうなりたいと考えているのか、このビジネスを通じて自分は何を実現したいのか、といったことを考えることは大切です。
できれば、誰かに聞かれた時にぱっと答えられるような「ビジネスの志」を考えておくと、これから先のビジネスに軸が入ります。
「自分がそのビジネスをすることの強みは何か」
もしこれから始めようとするビジネスが、既存の業界であれば、自分がその事業を成功させるための根拠がなければなりません。
飲食店であれば、他店よりも美味しい料理を安く提供できる、といった理由でも良いですし、このエリアには○○料理のお店がないので、消費者のニーズに応えられるといった理由でも結構です。
私自身も常に考え続けていることではありますが、最初にこの部分を明確にできていれば、後から軌道修正する際にも役立ちます。
自分の商品やサービスがなぜ良いのか、お客様に買ってもらったりお金を払ってもらう価値があるのか、といったことを考えます。
「ライバルは誰で、他社はどんなことをしているか」
いわゆるマーケティングです。
自分が始めようとするビジネスのライバルは誰で、どれくらいのお客様がいて、その分野全体として将来性があるのか、といったことを考えます。
実際にライバル店を視察するでも良いですし、インターネットや本で調べるのでも良いと思います。
自分がビジネスを行おうとしている市場(しじょう)の分析は必須です。
許認可も調べておく
なお、ビジネスの内容が決まったら、許認可などの手続きが必要かどうかも、調べておく必要があります。
飲食業や中古品販売業など、許可が必要なものは審査に時間が掛かる場合があります。
場合によっては事業のスタートが遅れてしまう可能性もあるので、事前にきちんと確認しておきましょう。
許認可が必要となる主な事業は、以下の通りです。
ご不安な方は、行政書士や商工会にご相談ください。
(手続きの代行が必要な方には、行政書士をご紹介します)
最後に
この段階で考えたビジネスモデルも、次回以降のステップである「事業計画」や「資金計画」を練る中で、少しずつ(ときには大きく)変更が入ることになると思います。
走りながら考える方が性に合っているという方もいらっしゃいますので、無理強いはしません。
あまり時間を掛けて考え過ぎてしまっても仕方がないかもしれませんが、ある程度ビジネスモデルが明確であれば、その後の準備段階や開業してからの経営もやりやすくなります。
できれば、少し時間を掛けて考えてみて頂けたらと思います。
【起業を考えている方へ】開業するまでの流れを解説します
【起業を考えている方へ】<STEP1>「個人」か「法人」か
【起業を考えている方へ】<STEP2>ビジネスプランを考える ←今回の記事です
【起業を考えている方へ】<STEP3>事業計画を作る
【起業を考えている方へ】<STEP4>開業資金を検討する
【起業を考えている方へ】<STEP5>開業に必要なものを準備する
【起業を考えている方へ】<STEP6>開業手続きをする
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