<STEP5>開業に必要なものを準備する【起業を考えている方へ】
ビジネスプランを考えて、事業計画・資金計画がある程度固まったら、開業にあたって必要となるものの準備を始めることになります。
法人設立や各種届出などの開業手続きも大切ですが、オフィスや店舗の選定など、どうしても時間が掛かってしまうものもあります。
開業手続きと並行して、できることから進めていきましょう。
開業に必要なものは、これから始めるビジネスによって様々ではありますが、今回は一般的に必要と思われるものをピックアップしてみました。
誰でも思いつくようなものばかりかもしれませんが、準備漏れがないかチェックのためにご一読頂ければと思います。
<STEP 5>開業に必要なものを用意する
物件選びからスタート
まずは、仕事をするためのオフィスや、飲食店なら店舗の物件探しからスタートします。
自分の好みや用途に合った物件を見つけるのは、運やタイミングもありますが、割と時間が掛かってしまうものです。
ここがビジネスのスタート地点になりますから、根気を持って探しましょう。
物件が決まったら契約手続きになりますが、手付金や保証金、前払家賃や仲介手数料など、最初に多額のお金が必要になります。
もし開業資金が不安であれば、物件選びより前に融資を受けるための準備を進めましょう。
内装や外装を依頼する
物件が決まったら、内装や外装の工事を依頼します。
ご自身で既に具体的なイメージがあれば発注までは早いですが、意外とデザイン決定に時間が掛かってしまうようです。
特に飲食店や小売店などの店舗の場合は、店内の什器や小物類、印刷物やホームページなどの宣伝素材などとイメージを統一した方が効果的ですので、その場合は店舗デザインに強いデザイナーの方などに最初から相談してみるのも良いかと思います。
内装業者やデザイナーの方との打ち合わせを重ねて、自分のイメージに合ったデザインを作り上げていくことになります。
電気・ガスなどの手続き
店舗やオフィスで使用する電気・ガス・水道などの開通手続きや、インターネットや電話回線などの手続きも必要です。
実際のオープン日より前から準備のために使用しますので、物件を使用できるようになったら早めに開通の手続きを行うことになります。
什器・備品を購入する
オフィスや店舗で使用する什器や備品を注文します。
飲食店や美容院、オフィスなどに特化した問屋も多くありますので、一度探してみると良いかと思います。
そこに行けば必要なものが全て揃いますし、別々に買うよりもお値段が手頃なことが多いです。
また、買い忘れも防ぐことができますが、アレもこれもと何でも買い揃えたくなってしまいますので、本当に必要なものかどうか、きちんとリストアップして検討することが大切です。
なお、一括で購入するのが難しいようであれば、中古やリースも視野に入れてみて下さい。
リースは長期的に見ると購入するより割高になることが多いですが、メンテナンスや頻繁に買い換えが必要なものであれば、リースの方が便利なこともあります。
パソコンなどのOA機器
上記と重複する部分もありますが、パソコンやプリンタ、デスク、椅子、電話機などのいわゆるOA機器も必要です。
飲食店などの店舗であっても、最低限のOA機器は必要になります。
事前に広告宣伝を行う
広告宣伝のために、チラシやホームページを作成したりします。
できれば、開業前に作成しておいて、オープン前から見込客に周知できるとスタートダッシュがスムーズです。
ただ、闇雲に宣伝しても無駄な費用ばかり掛かってしまいますので、自分がどのようなお客様に来てもらいたいのか、ターゲットとなるお客様層を十分に検討する必要があります。
また、会社案内や店舗案内、ショップカードなど、ビジネスを知ってもらうためのツールも合わせて準備しておくと良いと思います。
人材募集
必要に応じて、スタッフを募集します。
人材の募集方法は様々ですが、雑誌やインターネットの媒体に掲載するのであれば、結構な金額が必要になることを覚悟しておいてください。
広く募集すれば、もちろん多くの人が集まる可能性も増えますが、それだけ選考のための時間を取られることになります。
十分なお金を掛けて優秀な人を手軽に採用する方法を選ぶのか、手間を惜しまず最初はできるだけお金を掛けずにハローワーク一本に絞るのか、ある程度の割り切りも必要になります。
事業環境を整える
事業用の銀行口座
法人の場合は、設立手続きが完了してからでないと、銀行口座を作ることができません。
また、口座の開設依頼をしても、すぐには開設してもらえない銀行がほとんどです。
特に、メガバンクの場合は口座開設の審査が厳しく、時間も掛かる傾向にあります。
最初のうちはインターネット専業銀行(ジャパンネット銀行や楽天銀行、SBIなど)を使用するのが良いかもしれません。
メガバンクなどでネットバンキングを利用しようとすると、月額利用料が掛かってしまいますが、ネット専業銀行の場合は、基本的には月額利用料タダのところが多いようです。
なお個人事業の場合は、通常は個人名で口座を開くことになります。
ただ、一部の銀行やゆうちょ銀行では、屋号での口座開設を受け付けてくれるところもあります。
その場合、多くは法人用口座と同等に扱われるため、個人用よりも手数料が高くなりますのでご注意下さい。
事業用のクレジットカード
事業用のクレジットカードもあると便利です。
こちらも銀行口座と同様(もしくはそれ以上に)審査が厳しく、開業当初のビジネスには発行してもらえないことが多いです。
法人の場合は、社長の個人用カードで決済して、法人側では借入金や未払金として処理することも可能ではありますが、できれば避けた方が良いと思います。
個人の場合は、屋号で申請するわけではないので、法人に比べれば比較的簡単に発行してもらえると思います。
事業用の印鑑・ゴム印等
新規法人設立の場合は、実印や銀行印が必要になります。
設立登記手続きの際に使いますので、事前に作成することになります。
個人事業の場合は、既に印鑑登録や銀行印などを作ってあるようでしたら、新たに用意しなくても大丈夫です。
また、よく領収書や請求書などに横長・長方形のゴム印が押されているのを見かけると思います。
パソコン等で作成すればプリントアウトできますが、まれに手書きで領収書を作成したり、市販の封筒でビジネスの書類を送ったりする時に、いちいち会社名や住所などを記入するのは面倒ですので、ゴム印を作成しておくと便利です。
名刺
言わずもがなでしょうが、少なくとも名刺は作っておいた方が良いと思います。
あまり人と会うような仕事でなくても、何かしらの機会に必要になるケースもあります。
簡単なものでも構いませんので、とりあえず作成しておくことをお勧めします。
最近はパソコンとプリンタがあれば作成できるようになりましたが、通常のプリンタ用紙に比べると名刺専用用紙は高めですし、やはり手作り感が出てしまいます。
ネットでは100枚で1,000円程度で作れるところもありますので、探してみると良いかと思います。
忘れがちな事務用品
忘れがちなのが、請求書や領収書、封筒などの印刷物やペーパー類です。
最近では、ネットだけで格安・手軽に注文できるサービスが増えてきました。
私自身も、請求書類は「misoca」というネットサービス、名刺などのペーパー類は「ラクスル」を使っています。
また、設立当初は、登記簿や開業届など、色々と重要な書類が溜まっていきます。
これらの書類は今後も必要になりますので、すぐに確認できるよう、クリアファイルなどを用意しておくと良いと思います。
さいごに
準備することは割と楽しいですが、意外と手間と時間が掛かるものですから、事前にやることをリストアップして、やり忘れがないかチェックするようにしましょう。
次回は、法人と個人事業、それぞれの開業手続きについてご説明します。
【起業を考えている方へ】開業するまでの流れを解説します
【起業を考えている方へ】<STEP1>「個人」か「法人」か
【起業を考えている方へ】<STEP2>ビジネスプランを考える
【起業を考えている方へ】<STEP3>事業計画を作る
【起業を考えている方へ】<STEP4>開業資金を検討する
【起業を考えている方へ】<STEP5>開業に必要なものを準備する ←今回の記事です
【起業を考えている方へ】<STEP6>開業手続きをする
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