【国際取引の税務〜支払編⑤〜】支払先から納税証明書の発行を依頼された場合

【国際取引の税務~支払編④~】源泉徴収の手続き(租税条約届出書、納付、法定調書)

海外との取引で源泉徴収をして支払うと、相手方から納税証明書が欲しいと依頼されることがあります。

今回は、海外への支払いに関して、納税証明書を取得する手続きについてご紹介したいと思います。

【国際取引の税務〜支払編⑤〜】支払先から納税証明書がの発行を依頼された場合

納税証明書とは?

海外との取引で対価を支払う際に、源泉徴収をして支払った場合には、その支払先から納税証明書を発行して欲しいと言われることがあります。

これは、その支払先の会社又は個人が、その居住地である国・地域において税金の申告をする際に、外国(この場合、日本)で源泉徴収された税額を合わせて申告することで、相手側の国において税額控除を受けるために使用するものとなります。

相手国の税務申告で使用する納税証明は、通常、実際にその源泉徴収税額が納付されたことを証明するものが必要となります。

そのため、日本の場合ですと、源泉徴収税額を納めた先である税務署に証明をしてもらうことになります。

 

納税証明書の発行手続き

取引相手先から、源泉徴収額について納税証明書を発行してほしいと依頼された場合には、次の書類を所轄税務署に提出することになります。

なお、この手続きは、原則的にその源泉所得税を徴収された者(取引対価の支払いを受けた者)が提出することになっており、支払先の会社又は個人に書面を作成してもらう必要があります。

(ただ、実務的には支払者が記入しているケースが多いのではないかと推察します)

支払先の会社又は個人に書類を作成してもらったら、支払側である貴社が、所轄税務署長に提出して証明を受けます。

源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税証明願

なお、この書類には支払いの内容や相手先、納付日などを記載する欄があり、この書類を提出すると、右下の税務署長欄に署名を入れてもらって返却されますので、本紙がそのまま証明書となります。

 

提出書類


源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税証明願 2部

税務署に納付した源泉所得税の「納付書」(写) 1部

 

上記のほか、必要に応じて提出が必要となる書類

・租税条約に関する届出書の写し 
・「納付書」の金額と納税証明願の金額が一致しない場合には、納付書の金額の内訳が分かる資料や、送金時の書類など

 

国税庁HP
[手続名]源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税証明願

 

さいごに

税務署に発行してもらう納税証明は、提出から1週間程度掛かるようです。

相手先の税務申告時期に依頼されることが多いと思いますので、継続的に取引のある相手であれば、早い段階で準備しておくと、依頼されてから慌てなくて済むかもしれません。

 

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