【国際取引の税務~支払編⑨〜】租税条約届出書を外国法人の代わりに提出することはできるか?

【国際取引の税務~支払編⑨】租税条約届出書を外国法人の代わりに提出することはできるか?
租税条約届出書を外国法人の代わりに提出する
概要
租税条約による減免措置を受けるためには、租税条約届出書を税務署に提出しなければなりません。
この届出書は、原則的に、その支払いを受ける者(外国法人など)が作成して、その支払いをする者を経由して、税務署に提出することになっています。
一般的に、その支払いを受ける者は、日本に所在しておらず、租税条約届出書の作成にも不慣れであるケースも十分に想定されるところです。
そのため、実務上は、その支払いをする者が代わりに作成して提出することが多いものと思われます。
具体的な手続き
この場合、その支払いを受ける者から委任状を提出してもらうことで、その支払いを受ける者の代理人として租税条約届出書を作成・提出することになります。
なお、この委任状は英語などで作成されると思いますが、これを日本語に翻訳した上で、租税条約届出書を提出する際に原本と翻訳文を提出することになります。
また、租税条約届出書の「代理人」の欄に必要事項を記載します。
還付請求書を外国法人の代わりに提出する
概要
以前のブログで、既に支払いが終わった取引についても、後から租税条約届出書を提出することで、租税条約に基づく減免措置を受けられるというお話をさせて頂きました。
【参考記事】支払先から租税条約の適用を受けたいと言われたら
この場合、当初の支払い時に原則通りの源泉税率で徴収された税額と、租税条約に基づく源泉税額との差額については、還付請求書を提出することで還付を受けることができます。
この還付請求書も、厳密に言えば「支払いを受ける者」の名義で作成・提出することになりますが、この書類も外国法人の代わりに、その支払いをする者が作成して提出することができます。
具体的な手続き
この場合、外国法人等による委任状と、その翻訳文を還付請求書に添付することで、源泉徴収義務者(支払いを行った者)が代理で提出することができます。。
また、その還付金を源泉徴収義務者の口座に還付してもらう場合には、請求書フォームに源泉徴収義務者の口座を記載した上で、外国法人等からの委任状と、その外国法人等のサイン証明書(日本で言う印鑑証明書の代わりとなるもの)及びこれらの翻訳文を合わせて提出することになります。
還付請求書の記載欄は、こちらもご参照下さい。
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代表税理士 下島聡司