機械の輸入に伴ってアフターサービスを受けた場合の源泉徴収【国際取引の税務~支払編・事例⑬~】

【国際取引の税務~支払編・事例⑬~】機械の輸入に伴ってアフターサービスを受けた場合

海外から機械などを輸入するだけであれば源泉徴収は不要ですが、その輸入に付随して、その設備の据付サービスや試運転、アフターサービスなどを受けた場合も、源泉徴収は不要とされています。

今回は、機械等の輸入に付随して受けるアフターサービス等に係る源泉徴収の取扱いについてご説明します。

【支払編・事例⑬~】機械の輸入に伴ってアフターサービスを受けた場合

 

【質問】機械の輸入に伴うアフターサービスは源泉徴収が必要か?
当社は、海外の会社から完成品である機械設備一式を購入し、据付けや試運転、基本的な操作方法のレクチャーなどの付随サービスを受けるため、輸入元の機械メーカーから技術者を派遣してもらいました。

この付随サービスに関する費用についても、機械装置の本体代金とは別に報酬を支払うことになりましたが、これらの支払いについて源泉徴収は必要でしょうか?

 

ご質問への回答

ご質問のように、本来の販売活動に付随して、据付け、組立て、試運転等のために技術者を派遣してもらってアフターサービスを受けた場合には、そのサービスは源泉徴収が必要な「人的役務提供事業」からは除外されていますので、源泉徴収は不要と考えられます。

 

解説

源泉徴収は必要か

日本において、「人的役務提供事業」に該当するサービスを外国法人から受けて、その対価を支払う場合には、源泉徴収が必要となります。

「人的役務提供事業」とは、外国法人などが日本において、その外国法人に雇用されている人や、その外国法人と契約している人などを派遣して行う一定の事業を言います。

 

「一定の事業」とは具体的には、次のような事業とされています。

(1)映画若しくは演劇の俳優、音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務の提供を主たる内容とするもの

(2)弁護士、公認会計士、建築士その他の自由職業者の役務の提供を主たる内容とするもの

(3)科学技術、経営管理その他の分野に関する専門的知識又は特別の技能を有する者のその知識又は技能を活用して行う役務の提供を主たる内容とするもの

 

ただし、上記(3)のうち、械設備の販売その他事業を行う者の主たる業務に付随して行われる場合における事業で、その機械設備の販売業者が、その販売業務に伴って販売先に対しその機械設備の据付け、組立て、試運転等のために技術者等を派遣するものなどは除かれるとされています。

 

今回のご質問については、購入した機械装置のメーカーから、据付けや試運転、基本的な操作方法のレクチャーなどの付随サービスに関して、技術者を派遣してもらった対価を支払うとのことです。

従って、本件においては、その付随サービスについて支払う報酬について、源泉徴収は不要になるものと考えられます。

 

 

参考条文

所得税法161条1項六号
所得税法施行令282条三号
所得税基本通達161-25

 

当ブログでは、代表的な事例を基に基本的な考え方をご紹介しておりますので、全てのケースに該当するものではありません。
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ご注意事項(必ずお読みください)

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