税務調査第4回:税務調査当日の流れと調査官が見ているポイント

※本記事は税務調査シリーズの第4回です。税務署から連絡があり、いよいよ「調査日当日」が迫ってきた方に向けて、1日の流れや調査官が重点的にチェックするポイントを分かりやすく解説します。

1. 調査当日の基本的な流れ

税務調査は朝10時前後に始まり、15〜16時頃に終了することが多いです。
法人であれば本社・店舗・工場などを訪問します。

一般的な当日の流れ:

  1. 税務署職員(調査官)の到着・名刺交換
  2. 調査の趣旨と対象期間の説明
  3. 経理責任者・代表者へのヒアリング
  4. 帳簿・証憑類の確認
  5. 必要に応じた現地確認(棚卸・現金確認など)
  6. 調査結果の概要説明または後日の連絡案内

2. よくあるヒアリング内容とは?

最初に行われるヒアリングは、会社の実態を把握するための重要なプロセスです。

調査官からよく聞かれること:

  • 事業内容や業務フロー(誰が・どのように・何をしているか)
  • 売上の管理方法(現金取引の有無、レジの使い方など)
  • 経理体制(誰が記帳し、どのようにチェックしているか)
  • 取引先の特徴や関係性(身内との取引など)

この段階で矛盾があると、調査官の印象が悪くなり、その後の調査が厳しくなることがあります。

3. 調査官が重点的に見る帳簿・資料

調査官はすべての帳簿を見るわけではなく、「違和感のある箇所」を重点的に確認します。よく調査対象になるのは以下のようなポイントです:

  • 現金出納帳(合わない/使途が不明な現金)
  • 領収書の有無や不自然な支出
  • 売上台帳と請求書の突合チェック
  • 経費(交際費、旅費、車両費など)の妥当性
  • 借入金の処理、役員貸付金・仮払金の動き

これらは、「私的流用」「売上除外」「過大経費」といった典型的な否認ポイントに直結します。

4. 当日によくあるトラブルと対策

■ トラブル1:資料が出てこない/揃っていない

→ 対策: 最低限の帳簿・通帳・領収書を前日までに整理しておく

■ トラブル2:担当者が要領を得ない

→ 対策: 事前に質問想定を確認し、代表者と経理で答えを擦り合わせておく

■ トラブル3:口頭で不利な発言をしてしまう

→ 対策: 安易な自己判断で説明せず、必要に応じて「後日回答」と伝える

税理士が同席している場合は、これらのトラブルを防ぐ緩衝材となります。

5. 税理士が同席していると何が違う?

  • 質問の意図を読み取り、適切な説明を補足してくれる
  • 誤解されそうな部分の調整や資料の見せ方を工夫してくれる
  • 対応内容を記録し、後日のやりとりに備えてくれる

調査官との関係を悪化させず、調査をスムーズに終えるためには、その場での対応力が重要です。

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次回は「調査でよくあるミスとやってはいけない対応」について解説します。


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<税務調査対策シリーズ>
税務調査第1回:税務署から『調査したい』と連絡が来たら最初にやるべきこと
税務調査第2回:税理士がいないと、税務調査はこうなる(全体の流れとリスク)
税務調査第3回:税務調査の対象になりやすい会社・個人の特徴とは?
税務調査第4回:税務調査当日の流れと調査官が見ているポイント
税務調査第5回:調査でよくあるミスとやってはいけない対応
税務調査第6回:税理士がいる場合といない場合の差
税務調査第7回:税務調査後にやってくる修正申告と追徴税の真実
 
 
 

監修:下島聡司税理士事務所
代表税理士 下島聡司
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