税務調査第5回:調査でよくあるミスとやってはいけない対応

※本記事は税務調査シリーズの第5回です。
今回は、税務調査で実際によくある“対応ミス”や“やってはいけない言動”を解説します。
知らずにやってしまうと、追徴課税や調査長期化の原因にもなります。
1. 曖昧な返答や“その場しのぎ”の説明
調査官に質問された際に、はっきりと答えられなかったり、記憶に頼った曖昧な説明をしてしまうことは、よくあるミスの一つです。
その場を取り繕おうとして、「たぶん○○だったと思います」「記録にはないですが…」といった発言をすると、かえって疑念を持たれることがあります。
→ 対応のコツ: わからないことは「確認して後日回答します」と丁寧に伝えるのが正解です。
2. あわてて帳簿や書類を作り直す
調査前に「見られたらまずい」と感じ、領収書の貼り直しや帳簿の追加入力などを急いで行う方がいますが、これは逆効果です。
調査官は“直前に作成された資料”を見抜く力があります。帳簿や証憑が急に整っていると、それ自体が疑いの対象になります。
→ 対応のコツ: 不備がある場合は正直に伝え、補足説明や状況を丁寧に説明しましょう。
3. 家族名義や現金管理に関する言い逃れ
「これは妻の口座だから」「個人と法人を分けていないけどプライベートな支出です」といった説明は、税務調査では通用しないケースが多いです。
家族名義の通帳であっても、会社の取引に使われていれば“実質的には事業資産”と判断されます。
→ 対応のコツ: 名義と実態が一致しているか、事前に整理しておくことが大切です。
4. 税務調査官への敵対的な態度
調査官に対して「何しに来たんだ」「失礼だ」などと感情的に対応してしまうと、調査がより厳しく、粘着的になる可能性があります。
また、税務署内で「要注意先」として記録が残ることもあるため、将来的な調査に悪影響を及ぼすことも。
→ 対応のコツ: 調査官はあくまで職務を遂行しているだけです。丁寧な対応が結果的に自身を守ることにつながります。
5. 税理士に相談せず自己判断で進める
「税理士に聞くのも気が引ける」「料金がかかりそう」といった理由で、調査対応をすべて自力で進めてしまう方もいます。
その結果、誤った説明や不要な資料提出をしてしまい、不利な結果につながることが多く見られます。
→ 対応のコツ: 顧問契約がなくても、税務調査だけのスポット対応を受けてくれる税理士もいます。
税務調査の“対応力”が結果を左右します
帳簿や書類の内容だけでなく、調査中の対応や説明の仕方が、調査結果に大きく影響します。
調査官とのやり取りに不安がある場合は、無理に一人で背負わず、経験豊富な税理士の力を借りることが大切です。
杉並区周辺で税務調査対応に不安がある方へ
当事務所(杉並区・西荻窪)では、税務調査の直前対応や立会い、事後の修正申告など、スポットでのサポートも行っています。
中野区・新宿区・武蔵野市・吉祥寺・三鷹市・練馬区・世田谷区・小平市など、近隣エリアの方もお気軽にご相談ください。
次回は「税理士がいる場合といない場合の差」について解説します。
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代表税理士 下島聡司